夏沢峠

• 八ヶ岳の硫黄岳と天狗岳との間の鞍部にあたり、西の茅野側と東の南牧村側とをつなぐ峠です。
• 日本山岳会創立者の一人である武田久吉が書いた「明治の山旅」によると「...ここから諏訪郡に通じる夏沢(実は鳴沢)峠道に沿う本沢温泉を...」という記述がありますので、元は鳴沢峠だったのがいつの間にか夏沢峠になったようです。鳴沢の方が名前のゆかりが分かるような気がしますよね。
• 西の諏訪側から東へ抜けるのがお勧めですが、アプローチが長いので車が利用出来れば桜平まで車で入ってしまうと楽です。諏訪からのアプローチを自走しても、も眺めは良いですが結構なスピードで走り去る車も多いので注意が必要です。
• 桜平→(1時間程、乗車可能率5%)→オーレン小屋→(1時間程、0%)→夏沢峠→(1時間程、95%)→本沢温泉→(1時間程、95%)→本沢入口→(30分強、100%)→稲子登山口
  (時間、乗車可能率ともに40代後半である私の場合です。)

桜平からオーレン小屋への道を行く
(2002年10月12日)

桜平から夏沢峠へは良く踏み固められ、しっかりとした道を進みます。日あたりも良く、天気が良ければ快適な道です。

全行程を通じて、自転車(MTB)を担ぐ必要のある箇所はありません。オーレン小屋の手前では硫黄岳を望みながら自転車(MTB)に乗車出来る箇所も出てきますが、殆どは押しての歩きとなります。

山岳サイクリング(MTBサイクリング)と言っても目的は山や自然を楽しむのが目的です。乗車しないで、じっくりと押して歩くのも楽しみの一つです。

オーレン小屋手前の道
(2002年10月12日)

オーレン小屋に近付くと硫黄岳が望めるようになります。

同時に道の傾斜も若干緩み、自転車(MTB)にも乗車出来るようになります。

登りのコースの中では一番景色も良い、快適な部分です。夏沢峠に来て良かったなあ、と思える部分です。

夏沢峠から硫黄岳を望む
(2002年10月12日)

夏沢峠はよく風の通り抜ける、眺めの素晴らしい峠です。

峠からの眺めと言う点では、秀逸です。特に、爆裂火口と言われる形状の硫黄岳の眺めは素晴らしい迫力に満ちています。時間があれば硫黄岳まで往復しても良いでしょう。(片道1時間)

西側(茅野側)の眺めはありませんが、東側(海尻)側の眺めは秀逸です。

夏沢峠から海尻側を望む
(2002年10月12日)

峠からの眺めは峠毎にそれぞれですが、いずれの峠も新たにこれから訪れる地域に対する期待や不安などを旅人にもたらします。

峠道を登り終えて、これから始まる世界に期待が膨らみます。夏沢峠は明るい峠です。

夏沢峠から本沢温泉に下る
(2002年10月12日)

夏沢峠からの下りは、始めのうちは傾斜も急で、大きな石もごろごろとしていて乗車出来ませんが、すぐに乗車可能となります。

道も明瞭で、秋には紅葉がとても見事です。本沢温泉への途中には、有名な河原の温泉があります。自転車(MTB)で走る道の遥か下の川原にありますが、道からも良く見えます。時間があればひと風呂浴びるのも良いでしょう。

本沢温泉はハイキングや登山の人達も多く混雑しているので、早々に引き上げます。

本沢温泉から稲子登山口までは100%乗車可能の快適な林道ダウンヒルですが、林道を歩く人も多くスピードの出しすぎは禁物です。あくまでも下りはのんびりと、時速5km以下で走りましょう。

本沢温泉からの下り
(2002年10月12日)

100%乗車可能の林道ダウンヒル。当然全線ダートです。おまけに秋には紅葉が言い尽くせないほどの見事さです。

稲子登山口まで1時間以上のダウンヒルが続きますので、ブレーキをかける指が痛くなってしまいます。こんな素晴らしいダウンヒルが味わえるコースは数少ないですよね。

地図

地形図(国土地理院)：蓼科山、八ヶ岳　(1/50,000)

山と高原地図(昭文社)：八ヶ岳・蓼科